製品企画の段階で、ビジネスが成功するか失敗するか決まる理由

製造業の企画における悩み
  • 「なかなか良い企画が出ない」
  • 「企画に自信がなく、検討に時間ばかりがかかる」
  • 「これまでも何度か新製品を企画したがあまり売れていない」

ここ2~3年の間で部材調達の供給面に影響がでたり、原油・原材料価格の高騰といった理由から新製品の検討していて、以上のようなお悩みはありませんか?

本田
実は、製品が企画の段階で、ビジネスとして成功するか失敗するか決まるのをご存じでしょうか。

なぜなら、失敗原因の多くは企画の段階におけるリサーチが不十分だからです。

弊社のクレバーは、戦略コンサル、営業代行、マーケティング代行の実行支援を一貫して提供している会社になります。

この記事では、製品が企画の段階で失敗する原因を整理して、ビジネスが成功するマーケティングプロセスを徹底解説。

製品の企画にマーケテイングプロセスを導入することで成功する確率が飛躍的に向上するでしょう。

目次

ビジネスが失敗する2つの原因とは?

引用元:中小企業白書2013年版中小企業庁委託「中小企業の新事業展開に関する調査」(2012年11月、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株))

によると、新事業から中止・撤退した理由は「期待したほどの市場性・成長性がないと判明した」「販路開拓が困難だった」という回答が全体の半分近くに集約されるのです。

つまり、どちらの回答も事業を開始する前の企画段階で、判断できるのではないでしょうか。

それぞれの回答について解説していきます。

市場規模・成長性を事前にリサーチできていない

製品企画を立ち上げるときに、市場規模はどれくらいの売り上げが見込めるかを判断するための基礎的な情報です。

また、市場規模の変化を追うことで、全体の需要が伸びているのか、縮小傾向にあるのかを把握できます。

事前の市場規模・成長性をリサーチするかどうかによって、製品の売れ行きも大きく変化するでしょう。

販路を開拓するための競合分析ができていない

製品を企画する上で競合と比較をしないことは、「自社が作りたい製品を作る」というプロダクトアウトから抜け出せれていない状態なのです。

これでは、競合優位性が保たれず、顧客から製品を支持されることは難しいでしょう。

この状態でもし売れたとしても、再現性がなく次も売れる見込みは薄いかもしれません。

本田
しっかりと、競合分析をおこなった上で販路を開拓してください。

マーケティングプロセスから製品を企画し、ビジネスを成功させる

マーケテイングプロセスとはアメリカ合衆国の経営学者、フィリップ・コトラー氏が提唱したプロセスです。

環境分析や顧客のセグメンテーションに始まり、製品における業界内でのポジション設定や、プライシング・流通・プロモーションなどのすべてを含んだ重要プロセスになります。

本田
どうすれば、ビジネスが成功する企画を作れるのか、マーケテイングプロセスを用いて解説していきますので、ぜひご参考にしてください。

市場分析と市場機会の発見

まず、初期の段階に対象の製品について内と外の環境を調査、分析していくことが必要です。

マクロとミクロの情報を収集して、そこに解釈を加え「自社の強み」や「顧客に対する価値は何か」といったことを重点的に分析していきます。

つまり、PEST分析や3C分析で事実を集め、SWOT分析で、集められた情報から戦略を導き出すための解釈を加えて機能させるのです。

PEST分析 「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」
4つの観点から外部のマクロな環境調査をおこなう
3C分析 外部環境として「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」
内部環境として「自社(Company)」の客観的な事実を集めるとともに顧客を軸として調査を行います。
SWOT分析 「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」
4つの観点で自社を見ていきます。

セグメンテーション

環境分析の次は、どの顧客層(セグメント)を標的市場(ターゲット)にするかを決めます。

セグメンテーションとはターゲットを絞り込むために潜在顧客全体をより小さなグループに分けることです。

たとえばまず全体を性別年齢所得でセグメンテーション(細分化)し、次に「年収2000万円以上」のリッチな「30代」「男性」という特定のセグメントをターゲットにするといった手順で行います。

本田
最近は消費者の好みは多様化しているため、細かく細分化しておかないと失敗するリスクがあるでしょう。
さらに、自社の強み・弱みや総合優位性を考慮して有利に戦える市場を探す必要があるのです。

ターゲティング

セグメントの次は、自社の強みがとくに有効に働きそうなセグメントの組み合わせを一つに絞り込みます。

まずは自社の製品が売れると見込まれる市場規模であるかどうかです。製品が売れるとは、成約が見込まれることではなく、ビジネスとして成立するかどうかになります。​​

市場規模は大きいほど魅力があると考えがちですが、大きい市場は競合他社も多いというデメリットの部分もあります。

本田
そのため、最低限の顧客を獲得できる市場規模のセグメントを選ぶことが重要なのです。

ポジショニング

ポジショニングとは市場において独自のポジションを構築し、ターゲット顧客にとってユニークな差別化を行うことです。

マーケテイングプロセスにおいてポジショニングを考える際には、自社の思いだけで位置づけを決めては意味を成しません。

ターゲット顧客の購買決定要因をもとに作成します。ただし、これまで既存の製品がある場合は、顧客が自社へ抱いてるブランドイメージがあるでしょう。

既存のイメージとかけ離れたポジショニングは、顧客に理解してもらうのが難しいかもしれません。

本田
売り手の考えるポジショニングをターゲット顧客に対して伝えるためには、ポジショニングと連動したマーケティングミックスが重要になります。

マーケティングミックス(4P分析・4C分析)

マーケテイングプロセスの中でも最重要プロセスが、マーケティングミックスです。

マーケティングミックスとは、売り手視点からなる4つのPと、顧客視点からなる4つのCで考えます。

本田
つまり、売り手として提供したい価値と、買い手として期待できる価値のバランスを成立させなければなりません。

まずは顧客視点から検討していったほうが、良いのです。

企業側の視点 顧客側の視点 価値
製品戦略
(Product)
顧客にとっての価値
(Customer Value)
  • 機能
  • 品質
  • デザイン
価格戦略
(Price)
顧客が支払う費用
(Customer Cost)
  • 小売価格
  • 割引率
  • 契約期間
流通戦略
(Place)
顧客の利便性
(Convenience)
  • 販売チャネル
  • 流通エリア
  • 在庫
プロモーション戦略
(Promotion)
顧客とのコミュニケーション
(Communication)
  • 広告
  • 販売促進
  • SNS

マーケティング戦略の実行と評価

ここまでに策定した戦略を、ついに実行するステップです。

実行したマーケティング戦略がどれくらいの成果に結びついたか検証します。

マーケティングは一度実行すればそのまま終わりではなく、改善しながらPDCAを繰り返すものです。

さらに、検証をおこない、マーケティングプロセスのどこに問題があったのか確認していくことが必要になります。

マーケティングプロセスを実行する前に注意するポイント

マーケティングプロセスを6つのプロセスに分けて解説してきました。

最後に注意するべきポイントが2つあります。実行する前には確認しておいてください。

マーケティングプロセスの上位プロセスにフィードバックが必要

各プロセスでよい結果が得られない場合は、上流のプロセスへフィードバックし、上位プロセスの見直しが必要です。

なぜなら、上位プロセスの仮定が見違っていると、どうしようもありません。

本田
各プロセスの成否を見て、柔軟に上位プロセスを変更できるようなフレキキシブルな対応が成功の確率を向上させます。

そのため、策定する前提条件は数値化し、定量的なフィードバックや検証がしやすい状況を作っておくことが大切です。

BtoBビジネスは購買プロセスが異なる

BtoBビジネスとBtoCビジネスの場合では購買プロセスが異なるという点に注意が必要です。

そのため、顧客を個人ではなく「企業」でとらえ、全体を把握する必要があるでしょう。

BtoBビジネス特有の、窓口と決裁権保持者が別であったり、検討から承認までに複数の階層を踏む必要があることです。

本田
そこで、マーケティングプロセスの中に、購入プロセスを加味しておかなければなりません。

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。この記事では製品が企画の段階で失敗する原因を整理して、ビジネスが成功するマーケティングプロセスと、ポイントを解説しました。

引用元:2022年版中小企業白書 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「小規模事業者の地域での連携や課題解決への取組に関する調査」

によると、事業の見直しを行う際に支援機関を利用した8割以上の企業が、売り上げに期待が持てると回答しています。

新たに製品を企画したり、事業の見直しを検討する場合は、支援機関へ相談してみると売り上げへの効果が期待できるかもしれません。

本田

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この記事を書いた人

1989年生まれ。福島県出身。WS INTERNATIONAL株式会社・代表取締役CEO。クレバー事業・最高責任者。マーケター。戦略家。セールスコピーライター。ダイレクトレスポンスマーケティングを駆使して広告費ROI 1000%を生み出すなど数々の新規事業立ち上げ、200社以上のリブランディング等のマーケティング支援経験が持つ。

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