B2Bカスタマーサクセスの成功事例

B2Bサービスを提供する上での悩み
  • 以前と比べて会社の業績が停滞してしまった
  • 限られた人的リソースで、顧客サポート対応が十分にできない
  • 社員の長時間勤務が常態化している

最近、自社の製品・サービスが競合と価格競争にさらされていて、以上のようなお悩みはありませんか?

なぜなら、契約が完了した顧客をサポートするよりも、新しい顧客を一人でも多く獲得する方が収益に繋がからです。

そのため、常に新規顧客を開拓し続けながら、競合と差別化をはかり、価格競争に勝たなくてはなりません。

クレバーは、戦略を持たない中小企業の経営強化に取り組んでいる会社になり、多数の企業様を支援して参りました。

この記事では、B2B用のカスタマーサクセスに取り組む事例を詳しく解説します。

B2Bのカスタマーサクセスの取り組みによってこれまでにはなかった、売り上げの変化に期待できるでしょう。

本田
結論は、B2Bのカスタマーサクセスを現場レベルまで落とし込むことで、会社の業績を向上できるということです。
目次

カスタマーサクセスとは何?

近年、カスタマーサクセスが注目を集めている背景には、サブスクリプションビジネスモデルやSaaSの普及により、既存顧客の重要性が高まったと考えられます。

また、セールスフォース出身の福田氏が「THE MODEL」という著書にまとめたものが話題となり、日本でも急速に普及しました。​​

カスタマーサクセスの取り組みによって、データに基づいた顧客の課題分析を行い、先回りして問題が解決できるため、顧客は自社製品に満足するのです。

そのため、顧客の契約更新やアップセル・クロスセルが促進されて、企業は長期的に売上を創出できる仕組みとなります。

顧客の「成功」体験に繋げること

従来の売り切り型のビジネスにおいて、営業担当は商談・受注(契約)までの対応に重点を置きますが、契約後のアフターサポートは不十分な対応をとるケースが多いようです。

企業としても契約が完了した顧客をサポートするよりも、新しい顧客を一人でも多く獲得する方が収益に繋がります。

しかし、SaaSでは、受注後も積極的にアフターフォローを行い、顧客に使いこなしてもらわないとサービスが解約されてしまいます。

本田
解約されてしまっては収益が上がらないので、「カスタマーサクセス」の重要度がさらに高まっているのです。

カスタマーサクセスが注目される3つの理由

カスタマーサクセスが注目される理由は下記の3つが挙げられます。

  • サービス事業への転嫁が必要であるため
  • サブスクリプションモデルと売り切りモデルでは仕組みが違うため
  • サブスクリプションモデルで収益を得るための方法
  • サブスクリプションモデルと売り切りモデルでは仕組みが違うため
  • サブスクリプションモデルで収益を得るための方法

サービス事業への転嫁が必要であるため

デジタル技術の著しい進化によって、高機能や多機能といった製品の機能性を売りにした「モノ売り」では差別化が難しくなりました。

価格競争が激化している環境下で企業が生き残るためには、体験や価値に焦点を当てた「コト売り」への変革を余儀なくされたのです。

本田
「コト売り」は製品の力だけではなく、製品とサービスがセットになって初めて成立します。そのため多くの企業でサービス事業への転換が求められるようになりました。

サブスクリプションモデルと売り切りモデルでは仕組みが違うため

ビジネスモデルは「売り切りモデル」と「サブスクリプションモデル」の2種類に分類できます。

サブスクリプションモデルは結果から見ると、いつでも好きなときに好きなだけ利用できるという価値があります。

このような安心感とお得感を顧客に与え続けることが、コト売りの基本です。これを実現するためには「売り切りモデル」よりも「サブスクリプションモデル」の方が適しています。

本田
ただし、「サブスクリプションモデル」は1度の支払いは小額となるため、継続してもらわないと損失が大きくなる点に注意が必要です。

サブスクリプションモデルで収益を得るため

サブスクリプションモデルは、売り切りモデルで繰り上がる金額を均等割りしたものと同じではありません。

途中解約時に残りの半月以上の違約金を取ることで損をしないようにすることは、本当の意味でサブスクリプションモデルに転換できたとは言えません。

顧客視点で考えると、サブスクリプションモデルは1回の支払い金額が小額なのに対して、売り切りモデルは1回の支払い金額が高額になります。

そのため売り切りモデルでは購入する際に慎重になるでしょう。

一方サブスクリプションモデルでは、1回の支払いが小額であり、いつでも停止できる気軽さがあります。

ベンダー側の視点で考えると、売り切りモデルは購入されるまでの障壁が高いため、購入されるように努力が必要です。

サブスクリプションモデルでは、購入されるまでの障壁は低いですが、1回の支払い金額が小額なので払い続けてもらわなければなりません。利益を見出せないと赤字になってしまいます。

つまり、売り切りモデルは購入してもらうまでが重要で、サブスクリプションモデルは継続してもらうこと、すなわち購入の後からが重要です。

本田

この、継続してもらうように努力することが、カスタマーサクセスにおける活動といえます。このように顧客がサービスを手放せなくなる状況にできれば成功といえるでしょう。

カスタマーサクセスの実践成功事例

上記のスライドは、カスタマーサクセスのステージを設計したものです。

契約後のプロセス・対応部門・重要事項において抜けモレを防ぐために「誰・いつ・何をするか」を明確にしておく必要があります。

カスタマーサクセスのステージを設計するためにとくに重要なことを下記で解説していきます。

カスタマーサクセスの成功を定義づける

カスタマーサクセスに取り組むのであれば、まずは「顧客の成功」が活動の必須条件となります。

そのためには自社の提供するサービスを導入により、顧客がどの程度成功するのかを定義する必要があるのです。

さらに、この成功を定量的に示さなければなりません。「顧客の成功」は、営利企業であれば収益向上になります。

本田
多くの場合、顧客に提供するサービスは、売り上げ向上に寄与するのか、コスト削減に寄与するのかの2種類に分類別されます。
両方に貢献するものでなければ、成功の定義はどちらか一方に絞ってから取り組んでください。

コスト削減サービスでの成功の定義

顧客の一部の業務を代行する場合であれば、コスト削減に寄与します。コスト削減の成功の定義は、比較的簡単に創出できるでしょう。

その業務に係る顧客の工数を見積もれば良いからです。

もし、サービス利用料金の方が高くなってしまう場合は、サービスの内容を見直すか、売り方の検討が必要です。

売り上げ向上サービスでの成功の定義

顧客がまだやっていないことに挑戦するようなサービスであれば、売り上げ向上に寄与できます。​​

この場合、売上向上の定義は難しいと考えられます。顧客にとって初めてで、どの程度向上できるか明確にできないことが多いです。

本田
事例があればベンチマークになるため想定効果を算出できるでしょう。

カスタマーサクセスで重要なKPIを設定

定義した成功を達成しやすくするためにはその目標に到達するための指標、KPIを設定する必要があります。

KPIには売り上げのような結果だけではなく、行動指標も含まれます。

行動指標の中でもとくに重要なのは下記の3指標です。

LTV(顧客生涯価値) 契約が長く続いた分、LTV(顧客生涯価値)向上が見込める
NPS(顧客推奨度) 顧客ロイヤルティを測る指標。信頼の可視化が可能
解約率
継続率
離脱率
数値から考えられる潜在ニーズや課題などの分析が必要

顧客のセグメント分け

カスタマーサクセス活動を行うためには、顧客のセグメント分けが必要です。

カスタマーサクセス活動はすべての顧客に均一な対応をしたり、顧客ごとに対応方法を設定するわけではありません。

特定の条件をもとに、顧客をセグメントに分け、セグメント毎に打ち手を設計していきます。

注意しなければならないのは、Webサイト等から得られる情報だけで分類すると、後に打ち手が合わないことも多いということです。

提供しているサービスの解決できる課題については整理しやすいと思います。

しかし、顧客が抱えている課題を把握するのは難しいことです。そこで顧客の課題を把握するためには顧客の業務プロセスを描くと良いでしょう。

業務プロセスを描く方法は多くありますが、業務の流れを把握する目的で記載するのではなく、業務プロセスの構造的な問題を把握できる手法を用いることが重要です。

本田
構造的な問題とは、誰がやっても同じような事態が起こる問題のことです。これを特定でき、提供しているサービスによって解決できるものであれば、顧客にとってサービスを使うメリットが大きくなるでしょう。

構造的な問題を把握する手法として、「PRe P(Products Relationship Process)モデル」という手法を用いると成果物視点でのプロセスを可視化できるので、一目で問題を把握できます。

「PReP(Products Relationship Process)モデル」とは、成果物視点で業務プロセスをモデリングする手法です。

参照元:奈良先端科学技術大学院大学 成果物間の関連に着目した開発プロセスモデル:PReP 

カスタマーサクセスを実践するための必要ツール

成功の定義とKPIが決まればそれを達成するための検討に進みます。

カスタマーサクセスのアクションプランを策定するために必要なツールはカスタマージャーニーマップ、ヘルススコア、プレイブックです。

これらはPDCAサイクルに当てはめて考えてみるとわかりやすいかもしれません。

それではこれら3つのツールの作成方法についてそれぞれ紹介していきます。

PDCAサイクル Plan/Do Check Action
ツール カスタマージャーニーマップ ヘルススコア プレイブック
特徴 顧客の成功までの道筋 顧客の現在位置を示す指標 カスタマージャーニーマップに乗せるアクション

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップは、顧客体験を思考や感情を踏まえて分析するフレームワークです。

各プロセスのゴールは定義した成功となり、サービスを使っていない状態からゴールまでを、顧客とのタッチポイント・顧客の行動・思考や感情・施策に分解して考えていきます。

自社のサービスの理解が深まるほど、初めて利用する人の気持ちになりにくいのかもしれません。

本田
サービスを初めて利用する人に寄り添い、行動や感情を洗い出してください。決して自社目線で、理想の顧客像を描くことは避けましょう。

ヘルススコア

ヘルススコアは顧客の現在地を示す指標です。健康診断や人間ドックでは正常値が決まっていて、その範囲外であれば医者から治療を進められるでしょう。

カスタマーサクセスでのヘルススコアも同様です。ヘルススコアからカスタマージャーニーマップのプロセスに載っているかがわかります。

ヘルススコアが基準値よりも低ければ対策を打つことで、改善が図れるのです。

ヘルススコアの算出方法
  1. 簡単に取得できるデータを集めて、カスタマージャーニーマップに沿っている顧客と外れている顧客から差分データを分析する。
  2. 解約(チャーン)の原因となる情報を収集します。顧客や担当営業などからヒアリングした内容をもとに、どのようなデータを見ればちゃんを未然に防げるか仮説を立て、データを取得して、良さそうなものをヘルススコアとします。

    プレイブック

    プレイブックはカスタマージャーニーマップに載せるためのアクションです。

    プレイブックはヘルススコアを見て、カスタマージャーニーマップの軌道から外れていると分かった場合に、どのような改善を取ればいいか確認するために使います。

    プレイブックのアクションはヘルススコア毎に検討していきます。カスタマーサクセス活動の目的は解約を防ぐことやアップセル・クロスセルをしていただくことです。

    すべてのヘルススコアについて検討できない場合は、カスタマージャーニーマップの中で解約(チャーン)に大きく影響しそうな箇所を、ヘルススコアから取り組むことを推奨します。

    本田
    プレイブックはいちど作成したら完成ではなくアップデートし続けることが必要です。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。BtoBのカスタマーサクセスの取り組みによって、ビジネスを成功させる事例についてご解説しました。

    参照元:2022年版中小企業白書の三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「小規模事業者の地域での連携や課題解決への取組に関する調査」では小規模事業者が事業見直しに取り組んだ理由として「将来的な売り上げ減少への対応」「成長分野への参入」との回答が70%近くを占めています。

    本田
    新たにカスタマーサクセスへの取り組みによって、SaaSビジネスの事業展開を検討される場合は、支援機関へ相談してみると良いかもしれません。

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    この記事を書いた人

    1989年生まれ。福島県出身。WS INTERNATIONAL株式会社・代表取締役CEO。クレバー事業・最高責任者。マーケター。戦略家。セールスコピーライター。ダイレクトレスポンスマーケティングを駆使して広告費ROI 1000%を生み出すなど数々の新規事業立ち上げ、200社以上のリブランディング等のマーケティング支援経験が持つ。

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