どのようにして、客単価50,000円の超高級料理店が、3年先まで予約が取れないほどの人気店になっていったのか?

・新規事業として、高級飲食店を考えているけど、どうやれば予約困難店を作ることが出来るのか?

・現在経営しているお店の単価を上げて、顧客を増やすにはどうしたらいいのか?

と悩んでいませんか?

客単価50,000円でも3年先まで予約が取れないという高級飲食店を作りだす方法

実は、客単価50,000円でも3年先まで予約が取れないという高級飲食店を作りだす方法があります。

なぜなら、東京・広尾にある予約困難店「長谷川稔」(現在、「薫 HIROO」へリニューアル)がこれを実現しているからです。

本田

私は、これまでマーケティング支援などを200社以上に対して行ってきました。特にデマーケティングを得意としています。超高級な商品やサービスを、あえて買えない状況を作り出すことを日々研究している私にとっては、この予約困難店「長谷川稔」(現在、「薫 HIROO」)は、非常に興味深いサービスブランドでした。

 

この記事では、予約困難店「長谷川稔」(現在、「薫 HIROO」)に対して、圧倒的なリスペクトを払いつつ、「長谷川稔」が一体、どのようにして、予約困難店になっていったのかをマーケター視点で考察していきたいと思います。

この記事を読むと、「長谷川稔」が予約困難店となった背景にあるマーケティングやブランディングなどの施策を一部垣間見ることが出来ます。

「長谷川稔」のような予約困難店を経営したいと考えている経営者は多いと思います。そんな方のお役に立てれば幸いです。

結論、「長谷川稔」のマーケティングやブランディングを知ることで、難易度は高いものの、予約困難店を作り出すことは可能だと思います。

なぜなら、「長谷川稔」の創業者である長谷川稔氏が、長谷川稔グループとして、小規模高級料理店を横展開していることから、成功モデルが存在していると考えられるからです。

「長谷川稔」のマーケティング状況を調査

今回、「長谷川稔」(現在、「薫 HIROO」)をマーケティング視点で考察していく上で、次の要素で見ていきたいと思います。

 

1・コンセプト

2・立地と土地背景

3・客席数

4・駐車場

5・営業時間

6・メニュー

7・プライシング

8・ホームページ

9・予約方法

10・プロモーション

11・客層

12・味

13・店の外観

14・店の内装

15・ブランド背景

 

では、順に解説していきます。

 

情報の深堀

目次

1・コンセプト

「長谷川稔」のコンセプトは“どこにもない店”フレンチでもイタリアンでも、和食でもない“長谷川稔の料理”を出す。
僕はただ、“食べて美味しい料理”を出し続けるだけである。

本田

ミシュラン店を築き上げた長谷川氏が思う、美味しい料理。それだけで期待が高まることは間違いない。

2・立地と土地背景

〒106-0047 東京都港区南麻布4-5-66 

東京メトロ日比谷線広尾駅1番口 徒歩2分

本田

港区オジサン、港区女子の庭ともいえる広尾という場所は、コアターゲットを非常に広い安く、高級ブランディングにもうってつけの場所です。

3・客席数

4人

本田

非常に少ない席数です。しかし、これは、予約を困難にするために、供給を著しく抑えるという観点から完璧な戦略と考えられます。

4・駐車場

なし

本田

港区オジサンは、ほとんど運転手付きのアルファードを店の近くに待機させているでしょう。

5・営業時間

12:00~、18:00~1回4名、2回転のみの営業。

定休日

火曜、水曜、不定休

本田

これも、供給量をさげるための素晴らしい戦略だと言えます。

6・メニュー

おまかせコース料理

ホロホロ鳥

鯛の出汁を取り塩だけで味付けしたスープ

スペシャリテの金目鯛

鹿肉のカツサンド

はまぐりパスタ

生のマグロ、炙ったマグロ、バターの風味をきかせたウニのリゾット

トマトと水牛のモッツァレラチーズ

サワラにホワイトアスパラ、パルマの生ハム

メインは牛肉

チンジャオロース定食

温州みかんのアイスクリーム

ティラミスにイチゴやらチョコレートケーキ

カヌレ

引用元:https://www.takemachelin.com/2020/06/hasegawa.html

ワインペアリング(料理と相性の良いワインを選んで組み合わせること)

マリアージュ

引用元:https://www.takemachelin.com/2020/06/hasegawa.html

本田

どれも特別感を感じるようなヴィジュアル。お気に入りの港区女子を連れていけば、喜んでくれるに違いない。

7・プライシング

おまかせコース料理コースは3万円

ワインのペアリングは2.5万円

サービス料金や消費税で1人66,550円程度

引用元:https://www.takemachelin.com/2020/06/hasegawa.html

本田

かなり高価な値段だ。1回だけでは、商売にならない。この価格でも、また来たい。また食べたいと思わせる何かが、このWEB上の調査だけだはわからない魅力が、現場のサービスオペレーションや味に隠されているのだろう。

8・ホームページ

オーナーのFacebookアカウント

Instagramアカウント

本田

実に素晴らしいデマーケティングだ。supreamのような戦略。予約したい、よく知りたいけど、情報が開示されてない。あえて、ホームページをつくらないというのは素晴らしい戦略だ。

9・予約方法

ヒトサラ https://hitosara.com/0004048000/

OMAKSE https://omakase.in/r/mn713270

本田

予約できる場所も少ない。これも良い。というか、予約を取れるのは、相当先の話だけに、顧客の期待感は高まりまくる。

10・プロモーション

①「KIWAMINO」にて潜入記事によるプロモーション 

引用元:https://www.kiwamino.com/articles/restaurants/7759

「KIWAMINO」エグゼクティブの「お店探しの悩み」を解消し「極みの店」を探訪するプレミアムなグルメメディア

本田

KIWAMONOは、エグゼクティブの「お店探しの悩み」を解消し「極みの店」を探訪するプレミアムなグルメメディア。信頼できる第三者からのレコメンド記事は、エグゼクティブ層に向けたリーチを実現し、高速でナーチャリングすることで、「一度、味わってみたい。」と思える記事構成になっている。

 

「KIWAMINO」にてインタビュー記事によるプロモーション

引用元:https://www.kiwamino.com/articles/interviews/5674

本田

KIWAMONOでは、「長谷川 稔」オーナーの長谷川 稔氏に独占インタビューした記事を掲載。これによって、メインキャラクターである長谷川 稔氏のパーソナリティーの魅力を引き出している。オーナーの長谷川さんの考えが好きとか、彼の歩んできた道筋に共感し、応援されるキャラクターとしてブランディングを成立させている。美味しいだけでは、成立しないビジネスモデルの背景には、このパーソナルブランディングがかかせない要素だ。

 

 

③PR TIMESによるプレスリリースを実施 (株式会社冬至書房が実施している)

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000034264.html

本田

これから確実に人気店になると思いますので、ぜひその魅力をいち早くお伝えしたくご連絡いたしました。
6月には冬至書房より著書も発売予定となっております。←広尾で新店舗を出したタイミングで、冬至書房から著書をローンチするという、練に寝られたマーケティング戦略を感じます。ハッキリ言って、素晴らしい。

④FOOD and THOUGHTを出版

引用元:https://www.amazon.co.jp/%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E7%A8%94-FOOD-THOUGHT/dp/4885821967

本田

若き気鋭の料理人、長谷川稔の魅力を豊富なカラー写真を使い余すところなく伝える。
こだわりの生産者との対話、名刺代わりの一皿(料理写真)の他、独学でミシュラン一つ星を取るまでの歩み、
そしてミシュラン三つ星を目指して進化し続ける鬼才のシェフ、長谷川稔が食と料理に対する思想を語り尽くす。
「長谷川稔」ブランドを確立させるための、もっとも重要な要素。それは、データや人工知能などではなく、その人のストーリーだ。波乱万丈の人生は、大衆を魅了する。

⑤ヒトサラチャンネルに出演

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=5w6r8f_7SDM

本田

予約がとれないというブランディングを徹底的に行い、どのメディアをみても予約がとれないという印象が強く残る設計は圧巻。

⑥東京カレンダーYoutubeチャンネルに出演

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=5w6r8f_7SDM

本田

港区女子を口説きたい港区オジサン必見のメディア、東京カレンダー。港区オジサンは、ここぞとばかりに自分のパワーを誇示するために超予約困難店「長谷川稔」の予約に全リソースを集中投下する。

⑦東京カレンダーでの紹介

引用元:https://tokyo-calendar.jp/article/15014

本田

調べれば調べるほど、長谷川さんはブランディングが上手い。百選錬磨の港区女子にとってもステータス性が高いというレビューを取りつつ、東京カレンダーでそれを発信している。まるで、バーキンのようなブランディングだ。

⑧Instagram上での大量のUGC

本田

港区女子や、キラキラ系の方々のUGCがかなり多い。それもそのはず、予約が取れない店で1人6万越えの料理を食べているのだから、みんなに自慢したくなる。

11・客層

引用元:https://tokyo-calendar.jp/article/14140

本田

この立地と、ブランディングから戦略的ターゲットは、エグゼクティブ層なのは間違いない。
そして、プライムプロスペクトは、港区女子と毎日飲みに行く港区オジサンなのではないだろうか。

12・味

本田

非常に良い評価が沢山ある。しかし、まるでプロのカメラマンとコピーライターが作ったようなセンス抜群のレビューが多いと感じる。

本田

悪いコメントもそれなりにあった。美味しいかどうかは、その人次第だから何とも言えない。

13・店の外観

本田

築古の戸建。モノトーンの非常にシンプルなつくり。隠れ家的な感じ。

14・店の内装

本田

隠れ家の扉を開けると、一瞬にして非日常の世界へ。落ち着いた空間にイタリア製のダイナミックな照明が映え、特別な食の舞台を演出。カマチ陶舗やSHIMOO DESIGNの器も趣向を深める美しさ。非常に、洗練された雰囲気だ。

15・ブランド背景

1977年、北海道生まれ。 独学で料理を学び、2007年、故郷・千歳市で友人とカジュアルイタリアン【ミノルメシ】を開店して独立。

2011年、江別市に【リストランテ薫】を開業し、『ミシュランガイド北海道2017特別版』で1つ星を獲得。 2018年に東京に移り、広尾に自らの名を冠した【長谷川 稔】をオープン。

本田

独学で料理を学び、北海道でミシュランに掲載されるという序章を作った上で、東京進出という戦略。私には、長谷川さんは、料理のすごさもさることながら、素晴らしい戦略家に見えてきました。

 

 

まとめ

「長谷川稔」のマーケティングとブランディングをWEB上の情報から調べてみました。知れば知るほど、素晴らしいデマーケティング施策と、バーキンのようなブランディングをしていたことに感激しました。正直、超予約困難店になるべくしてなったと言えると思います。ただ、この情報だけではない、味の良さや、サービスクオリティーの高さ、居心地の良さ、実際の港区オジサンや港区女子の中でのリファラルなどが大成功の要因になっていると思います。正直、世の中に溢れかえるほど存在する飲食店は、「旨い」というだけではここまでの大成功は出来ないと思います。飲食店を経営されている方や、ラグジュアリーなサービスやプロダクトブランドを経営している方にも目からうろこの情報ばかりだったのではないでしょうか。Cleverrでは、このようなデマーケティングを活用したマーケティング戦略が非常に得意です。今回、デマーケティングをもっと知りたい、やってみたいという方に向けたセミナー動画を作成しました。メールアドレスをご登録いただくと、セミナー動画を視聴することが出来ます。気になる方は、ぜひご覧になってください。また、デマーケティングを活用した、新規事業の構築や、既存事業のリブランディングもご支援可能です。お気軽に、問い合わせください。

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この記事を書いた人

1989年生まれ。福島県出身。WS INTERNATIONAL株式会社・代表取締役CEO。クレバー事業・最高責任者。マーケター。戦略家。セールスコピーライター。ダイレクトレスポンスマーケティングを駆使して広告費ROI 1000%を生み出すなど数々の新規事業立ち上げ、200社以上のリブランディング等のマーケティング支援経験が持つ。

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