建築・建設会社が求人を出しても応募が来ない理由と解決策

もし建築会社や建設会社の採用担当者が「求人を出しても応募が来ない」と感じていたら、それは勘違いではありません。

なぜなら建築・建設業界の人手不足は常態化しているからです(*1)。「求人を出しても応募が来ない」状態は、自社だけの問題ではなく業界全体の課題になっています。

本田
さらにいえば、建築・建設業界の人手不足は日本全体の問題であり、専門家は「建設業がこれまで担ってきた社会的役割を十分果たせなくなる」と警鐘を鳴らしています。(*1)

建築・建設業が担ってきた社会的役割には、インフラ整備や自然災害への対応も含まれるため、政府も建築・建設業界の人手不足問題の対策を講じています。(*2)

そこでこの記事では、建築・建設会社が求人を出しても応募が来ない理由を解説したうえで、その解決策を紹介します。

建築・建設会社の採用担当者の方々にこの記事を読んでいただければ「何をすれば人を採用できるか」がわかると思います。

*1:「建設業の担い手確保に関する現状と課題
*2:「今そこにある危機“建設業担い手確保”への挑戦!〜高校生アンケートが示す課題への対応〜

目次

なぜ求人を出しても応募が来ないのか

なぜ建築・建設会社が求人を出しても応募が来ないのか――。

従業員確保に苦慮している採用担当者は、この疑問に正面から向き合ったほうがよいと思います。

建築・建設業界は日本経済と日本人の生活を支えている重要産業でありながら、その一方でネガティブな面が少なくないのも厳然たる事実です。

そのため採用担当者はまず、この業界のネガティブな部分を把握しておき、それから解決策を考え、そのうえで人材確保対策を講じていったほうがよいでしょう。

建築・建設業界に対するネガティブな印象

建築・建設業界の人材問題を考えるとき、日本SHOKUNIN総研が2018年に行った「生活者と建設業従事者に対する意識調査」は示唆に富んだ資料といえるでしょう(*3、4)。

この調査が優れているのは、建設業界に対するイメージを、生活者(一般の人)と建設業従業者(建築・建設会社の従業員など)の両方に尋ねている点です。建築・建設業界の内と外のイメージ・ギャップがわかります。

世の中になくてはならない業種を尋ねたところ、建設業従事者は建設業を4位に挙げていますが、生活者は建設業を10位に挙げました。

ここから、建築・建設業界に入ればこの仕事の重要性が理解できるが、この業界に入らないとそれほど強く重要性を意識できないことがわかると思います。

そして生活者に建設業界のイメージを尋ねたところトップ5は以下のとおりでした。

生活者が持つ建設業のイメージランキング
  1. きつい
  2. 危ない
  3. 力持ち
  4. 厳しい
  5. 1つのことを極めている

きつい、危ない、厳しいは明確にネガティブな印象です。

 そして力持ちは、よいイメージともいえますが、一方で「機械化が進んでいるがまだまだ」「軟弱な身体や精神では務まらない」といったネガティブな意味も含まれています。

したがって純粋にポジティブな印象は5位の1つのことを極めていること、だけになります。

*3:生活者と建設業従事者に対する意識調査(2018年)
*4:日本SHOKUNIN総研 公式ホームページ 

そもそも人手不足、労働人口の減少

 15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者(働きたいと思っている人)を合わせた人口のことを労働人口といいます。

日本の2022年の労働人口は6,902万人で、前年より5万人も減っています(*5)。

しかも5万人減の内訳は、男性が22万人減って、女性が16万人増えています(端数の関係が誤差あり)。

本田
建築・建設会社が「男性従業員が欲しい」と思っても、そもそも国内の労働市場に男性労働者が減っているため採用しにくい事情があるわけです。

*5:労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の概要

応募が来ない建築・建設会社はどのように求人活動を進めればよいのか

 求人を出しても応募が来ない建築・建設会社は、厳しい現状を理解して、改善する策を考えて、それに基づいて求人活動を変えていく必要があるでしょう。

また、求人活動のなかで建築・建設業界の魅力だけをアピールしても、求職者に見透かされてしまうでしょう。生活者の多くが建設業界にネガティブな印象を持っていることは紹介したとおりです。

そのため求人活動でのアピールでは、「確かにネガティブな要素もありますが、魅力も多い業界です」というスタンスが有効であると考えます。

これらを踏まえて、建築・建設会社の求人活動について考えていきましょう。

自社で「ダイレクト採用サイト」を立ち上げて自力で求人する

人材を採用できない建築・建設会社が、もしこれまで、ハローワークや求人メディアしか使っていなかったら、「ダイレクト採用サイト」を自社で立ち上げることをおすすめします。

「ダイレクト採用サイト」は、LINEを使った求人サービスです。一般的な求人サービスと大きく異なるのは、求人する企業(ここでは建築・建設会社)が、自社の公式LINEアカウントを使って、求職者や労働者に直接(ダイレクトに)自社の魅力をPRできることです。

本田
「ダイレクト採用サイトを知らない」という企業も安心してください。
弊社(WS INTRNATIONAL株式会社)のCleverr(クレバー)は、企業に代わって企業の「ダイレクト採用サイト」を開設するサービスです。クレバーはさらに、戦略設計部分から、サイト構築、運用まで一貫してサポートします。より詳しく知りたい方は、最下部に記載がございますので、このまま記事を読み進めてください。

実際に改善する~働き方改革を進める

 そして、もし求人票に「正直」に記載しても応募が来なかったら、社内体制を改善したほうがよいでしょう。

国土交通省と厚生労働省は、建築・建設業界に働き方改革を推奨しています。(*6)

仕事を探している求職者が敬遠することに長時間労働がありますが、建設業界は長時間労働が常態化していて、その是正が急務とされています。(*7)

ただでさえ人手不足なのですから、建築・建設会社にとって労働時間を短くすることは難題となるでしょう。しかしこれをクリアしないと、人が集まりにくい状態は改善できません。

本田
そして労働時間や残業時間を減らすことができたら、それを求人票に載せれば他社と差別化できるはずです。 

*6:今後の建設人材確保対策について
*7:最近の建設業を巡る状況について 

建築・建設業の魅力を伝える

ネガティブ要素の払拭は(重要ではありますが)後ろ向きの求人活動といえます。そして前向きの求人活動とは、建築・建設業の魅力を伝えることです。

先ほど紹介した「生活者と建設業従事者に対する意識調査」では、建設業界の魅力を伝える言葉が数多く寄せられました(*3)。その一例を紹介します。 

「生活者と建設業従事者に対する意識調査」
回答者が述べた建設業界の魅力

 

  • 衣食住の住を支える力持ち
  • 社会インフラを支える工事のイメージ
  • トンネル掘削といった特殊技術を持っている
  • ものづくりの技術、開発力が優れている
  • 家づくりはすごい技
  • 技術を磨いてよいものをつくっているイメージ
  • 匠である、職人って感じがする
  • 完成した建築物はつくった人たちの作品
  • 苦難に立ち向かう仕事

    いかがでしょうか。このような魅力を、求人活動や採用活動で求職者たちに伝えているでしょうか。

    本田
    採用担当者は、社内の従業員に「我が社ならではのやりがい」をヒアリングして、その声を求人票に載せてはいかがでしょうか。

    そして建築・建設業の将来が明るいこともしっかり求職者に伝えるようにしてください。

    2021年度の数字ですが、建築・建設業の市場規模は、公共事業で23兆円、民間事業で36兆円にのぼります。(*7)

     しかも建設業界で働く男性の賃金は上昇傾向にあります。

    建設業男性全労働者の年間賃金総支給額は、2012年は483万円でしたが2019年には573万円と19%もアップしています。(*7)

    建設業男性全労働者の573万円は、製造業男性全労働者の559万円より、全産業男性労働者の561万円より多い金額です。

    本田
    給料の高さは求職者への訴求力が強いので、もし自社がこれまで給料をアップさせてきていたら、その実績を求職者に訴えましょう。

    女性や高年齢の男性の採用を増やす

     女性や高年齢男性の採用に消極的だった建築・建設会社は、「のびしろ」があると考えてよいでしょう。

    先ほど紹介したとおり、労働人口において女性労働者はむしろ増えています。

    働き方改革を進めたり、力仕事とそうでない仕事をわけたりすれば、女性でも建築・建設現場で戦力になります。

    本田
    むしろ男性労働者が苦手とする仕事を、女性労働者は効率よくこなしていくかもしれません。

    また、働きやすい職場をつくれば、高齢の男性でも長く務めることができます。

    既存の労働者が辞めなければ、その分採用する必要がないので、人手確保にプラスに働きます。

    建設業界の働き手は36%が55歳以上であり29歳以下は12%しかいないので、職場の高齢化は止められないでしょう。

    本田
    したがって高年齢男性の雇用を守ることは会社を守ることに直結するはずです。

    まとめ~求職者に「うちの会社で働く理由」を知ってもらう

     この記事の内容を箇条書きでまとめます。

    • 多くの建築会社、建設会社が人手不足や、求人を出しても応募がないという課題を抱えているはず
    • 建築・建設会社の求人活動が難航するのは、業界に対するネガティブ・イメージが存在するから
    • 「建設業はきつい、危ない、厳しい」というイメージはいまだ健在
    • そもそも日本全体が人手不足
    • 建築・建設会社の求人活動の解決策は、ネガティブ要素を正直に伝え、働き方改革を進め、魅力をアピールすること
    • 女性や高年齢の男性の採用も増やすとよい

    求人の応募を増やすことは、建築・建設会社にとって喫緊の課題のはず。そこで採用に困っている企業に「ダイレクト採用サイト」の活用をおすすめします。​​

    もちろん、ハローワークや求人メディアでも、自社の魅力をPRすることができます。しかしいずれも求人票に同じ情報を掲載するだけなので、すべての求職者に同じメッセージを送ることになります。

    自社の公式LINEアカウントを使った「ダイレクト採用サイト」なら、1人ひとりの求職者にリーチすることができ、その人が求める情報を企業がダイレクトに提供することができます。

    本田
    求職者に「この会社で働きたい」と思ってもらえる確率が高くなるでしょう。

    採用に苦戦している企業には、私が無料で相談にのります

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    この記事を書いた人

    1989年生まれ。福島県出身。WS INTERNATIONAL株式会社・代表取締役CEO。クレバー事業・最高責任者。マーケター。戦略家。セールスコピーライター。ダイレクトレスポンスマーケティングを駆使して広告費ROI 1000%を生み出すなど数々の新規事業立ち上げ、200社以上のリブランディング等のマーケティング支援経験が持つ。

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